JMAT活動日記 ~その3~
5月2日
7:30 ADRO本部朝ミーティングにて、南阿蘇村白水庁舎支部への派遣指示。
9:00 ADRO白水庁舎支部ミーティング>
南阿蘇村は元々医療過疎地域で、近隣の阿蘇立野病院に通院できるよう国道57号線の整備を行い阿蘇大橋が架橋されたという経緯があるそうです。
その阿蘇大橋が崩落した影響で通院不可能となってしまったため、村の白水、久木野、長陽の各地区に仮設診療所が設置されていました。
特に長陽地区は阿蘇大橋に近い地区で、甚大な被害が生じた場所です。
「久木野地区避難所内仮設診療所」
災害医療としては急性期から慢性期に移行しており、上記3つの仮設診療所のうち白水の仮設診療所は昨日をもって閉鎖。報道でも取り上げられていましたが、慢性期では感染症の拡大が懸念されるため感染検査などの設備は残されていました。
そしてDVT予防も大きな課題とされていたため、我々のチームはその調査を行うこととなりました。
「地域巡回」
地域や避難所を巡回し、車中泊らしき車がある場所のピックアップと、そこに車中生活をされている方がいらっしゃれば直接DVT予防の啓発を行ってよいという指示でした。昨日の西原村では目視で状況の確認のみでしたが、こちらではより踏み込んだ活動となりました。
「車中泊避難者の方に啓発活動」
中にはハイリスクの方も発見し、ふくらはぎのサイズを計測して弾性ストッキングの配布も行いました。
5月3日
昨日に引き続き南阿蘇村での活動です。
この日は予想雨量 が100mmで、阿蘇の外輪山には亀裂が多く入っており土砂災害の危険性が大きいため、自宅で過ごせておられる山麓の住民にも避難指示が出る可能性が高いと言われていました。油断ができない一日です。
「こうした場所があちこちに・・・」
5月4日午後に福井大学のエコーチームが白水地域にてDVT検診を行うことが決まり、それに向けてハザードマップの作成と症例のピックアップを進めていきます。
「車中泊ハザードマップ」
連日、16:00 支部ミーティング ⇒ 19:00 本部ミーティング
ADRO白水庁舎支部ミーティング>
我々が派遣される以前にも複数の保健師や救護班がDVT予防の啓発活動をそれぞれで行って はいましたが、当初それぞれが殻にこもっていて連携がうまくとれていなかったそうです。
しかし、支部でのミーティングを繰り返すことにより情報の集約が可能となり、より効率的な連携がとれつつありました。
「ADRO白水庁舎支部にて」
ADRO本部夜ミーティング>
毎日各団体から多岐に渡る報告がなされますが、少し気になったのが感染症・DVT予防のほか、避難者の低栄養が深刻化しているということでした。
避難所での食事は偏りが著しく、カロリーは必要量の3割程度で、各栄養素も全く足りていません。入院患者には高齢者が多いのですが、中には実際に低栄養による入院もあったそうです。
もちろん改善すべく栄養士会の方々が尽力されており、ミーティングへ参加する度に各職能団体の結束と頼もしさを肌で感じました。(BY:Kyon)
~その4へつづく~